30代/女性/自営業
頭全体が重苦しい頭痛を感じる
来院までの経緯
1年前から原因不明の頭痛が始まり、頭痛外来のある病院へ行ったが痛み止めを処方されるだけで、長く服用していたら腎機能が悪くなり、薬を止めた。顎関節症もあり、歯医者で治療している。鍼治療は3軒くらい治療院を回ったが、効果を実感できなかった。
検査
首の可動域→問題なし
圧痛部位→なし
治療部位
僧帽筋、菱形筋、頭板状筋、頭半棘筋、頭最長筋、後頭下筋群
経過
1診(ペインスケール10)
頸部と胸部の夾脊穴、後頭下筋群へ刺鍼
2診(ペインスケール7)
「楽になった感じがする」との話
同部位へ刺鍼
3診(ペインスケール7)
「正直前回とあまり変わらない」との話
同部位へ刺鍼(経過が長いため首の上部の鍼の太さを変更)
4診(ペインスケール1)
「すごく楽になった」
問題点がはっきりしたので、月に1回程度の施術で様子をみる旨説明
考察
4診ではかなり喜んで頂き、「この治療をもっと広めて下さい」と話を頂いた。今回の主要な問題点は後頭下筋群だと思われた。長期間つらい状態でいたため、頚部の深層筋の癒着が強く、通常の鍼では効果が薄かったためやや太めの鍼に変更した。それが上手くいき、結果的に痛みが軽快した。
ご本人は自身の不調に関して、相当思い悩んでおられた様子であった。頭痛は外見からその「つらさ」は分からない。最終的には表情も明るくなり、鍼灸の力を改めて実感した症例であった。